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XR(VR/AR/MR)

製造業に革新を!ものづくりXRの現状

画像:VRを使用して操作しているイメージ

幅広い業種に導入が進むXR。現在注目されている分野の一つが、生産性向上や人手不足などの課題解決が求められている製造業です。今回は、急速に発展する「ものづくりXR」について、企業の事例を交え解説していきます。

事業プロセス全体にXR導入

画像:VRを使用して設計シミュレーションしているイメージ

製造業におけるXRは、開発から製造、販売まで、ものづくり企業の事業全体を変革する大きな可能性を持っています。

例として以下のような用途が考えられます。

設計

設計図面、仕様書などのデータを仮想空間上に三次元で投影し、空間的制約なくイメージを共有。仮想空間を活用し試作やレビュー作業を進められます。製造部門との情報共有も精度高く行えるため、スムーズに製作工程に移行できます。

生産体制再現・最適化

工場の生産ライン、部品在庫や仕掛品の物流など現場のレイアウトを三次元で再現し、現地を歩いているかのように検証。工程上のボトルネック発見、機材・人員配置の最適化などによる生産性向上に役立てることができます。

保守・点検

現場での保守・点検作業の際、作業員がヘッドセットを装着し、ARディスプレイに電子マニュアルのチェックポイント、熟練技術者による遠隔からの指示等を重ねてリアルタイム表示。品質管理の精度向上、効率化が図れます。

人事・研修

採用では会社説明会やインターンでXRを活用した生産現場体験、採用後の研修では工程を仮想空間で再現するXR教材で、人的負担を最小限に効果の高い人材開発が可能に。製造業の喫緊の課題となっている人材不足への対応策になりえます。

営業・プロモーション

販売店や製品発表会、展示会のプロモーションに三次元映像を活用。Web上での常設のメタバース展示も可能です。オプションや仕様変更などリアル展示よりも柔軟な表現が可能なのもメリット。海外展開を含め販路拡大の起爆剤になりえます。

ものづくりXRの注目事例

次に、製造業にXRを導入している企業の実例から、活用方法とその効果について考えてみましょう。

VRシミュレーターで操作性と検証実験

車載コックピットシステムを開発する企業では、自動車メーカーの開発プロセスで用いるVRシミュレーターを提供。VRヘッドセットを用いて、HMI(Human Machine Interface)の操作性などの検証実験を行えるシステムで、自動運転なども見据えた開発プロセスに有用な技術として注目されています。

ARデバイスで作業工程を確認

米EVメーカーでは、製造ラインでの作業を効率化するXR技術を複数保有。一例として、ARデバイスの映像を用いて、作業者が目の前の溶接や穴あけなどの工程を確認できるシステムがあります。その他組み立てや品質管理など各製造工程で、生産性向上に資するXR技術の開発を進めています。

VRで研修やOJTの効率化

ベアリングの製造で知られる企業では、新入社員教育のためのVR研修を実施しています。動画だけでは困難な、実際の作業所の空間認知、所作を三次元映像で学べる体制を構築し、遠隔指導、複数人へ同時指導、講師なしでの教育も提供。研修やOJTの効率化、負担軽減効果を得ています。

事故事例の疑似体験

XR研修の中でも、とくに「事故事例」を再現するのが老舗印刷企業。作業員はヘッドセットと輪転機を模した設備を用いて、重大事案につながるローラーへの「巻き込まれ事故」を擬似体験。バーチャルだからこそ体験できる、避けるべき危険行動への理解を深めています。

VR工場見学で現場を追体験

油圧ショベルなど建築用重機メーカーの企業では、WebサイトでVRによる「工場見学」を提供しています。組み立てや品質試験など、各工程を撮影した360度の映像は臨場感が高く、ものづくりの現場を追体験。幅広いステークホルダーへ向けたブランディングにつなげています。

XRが拓くものづくり新時代

製造業は、リアルな事物を扱う業種のため、デジタル技術の取り入れが進みにくい分野と言われています。その点で、機械や製品などの「もの」、従業員や顧客等の「ひと」の関係性を組み替えることで新たな価値を生み出すXRは大きな可能性を秘めた存在といえます。リアルとデジタルを融合するものづくりのDXのキー技術として、XRへの期待は今後も高まっていくことが予測されます。

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