コロナ行動制限解除後、XRに起こった変化とは? コロナ行動制限解除後、XRに起こった変化とは? | パソナ日本総務部 コミュニケーション事業
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XR(VR/AR/MR)

コロナ行動制限解除後、XRに起こった変化とは?

ハイブリットイベントのイメージ

3年以上にわたり世界に影響を及ぼした新型コロナウイルス。日本では2023年5月に感染法上インフルエンザ等と同等の第5類に分類され、行動の制約はほぼなくなりました。街に人流が増え日常が戻る中、コロナ対応としても推進されたデジタル化の分野に興味深い変化が起こっています。それはビジネス・生活など各局面で、XRの存在感が増していること。その背景には何があるのかを探りました。

バーチャルイベントからハイブリットイベントへ

ハイブリットイベントのイメージ

制限解除により活気を取り戻した主な分野が、コロナ禍で中止や無観客・オンライン開催などが強いられたイベントです。ここで見られる動きが、リアルイベントとバーチャルイベントの同時開催です。

その一例が9月21日から開催された日本最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ」。2020年に開催が中止、以降の入場制限を経て4年ぶりに完全公開された同イベントでは、千葉・幕張メッセでのリアルイベントと同時期にバーチャル空間で「TGS VR」が開催されました。PCやXRゴーグルを利用して入場し、天空に浮かぶ島を模したゲームタイトルごとのブースをアバターで巡る趣向で、各社がバーチャルの世界観を生かした力の入った展示を発表しました。

TGS VRが初開催されたのはコロナ禍最中の2021年。行動制限が開催の後押しになったと考えられますが、制限解除後も大いに盛り上がり、次回以降の開催も期待されています。制限下での開催手段としての側面があったXRの魅力が、改めて積極的に評価されていることが見て取れます。

リアルとバーチャルの垣根をなくすAR

遠隔地から参加するバーチャル空間での開催のほか、リアルイベント会場内でバーチャル情報を重ね合わせるAR技術への注目も高まっています。

ARを活用することで、XRゴーグルやスマホで会場内の展示に解説や映像を重ねて表示するなど、多様な表現が可能になります。ファッションのコーディネート、製品のカスタマイズなどニーズに合わせた映像を表示したり、地域イベントで目の前の風景が四季ごとに変化していく様子を見せたり、行事や歴史上の出来事を疑似体験したりといった活用法もあります。ARの「その場にないものを見せる」機能が、リアルイベントの可能性も拡張しているのです。

また、リアル会場で目の前にリモート参加者のアバターを表示しコミュニケーションできるようにするなど、バーチャルとリアルが融合しボーダーレスになる未来も予想できます。eスポーツや音楽ライブなどでは、リアル会場にいるプレーヤーや演者、観客に加え、リモートでの参加者、視聴者が、仮想的な巨大会場に集うメガイベントが実現することも考えられます。

XRで再編される「働き方」

バーチャルオフィスのイメージ

もう一つ、コロナ禍において多くの人が体験したのが、リモートワークをはじめとした働き方の変化です。出勤が可能となった現在、改めてリモートワークのメリットとデメリットが再考されることになりました。

イーロン・マスクら著名経営者によるリモートワークへの否定的な発言、「リモートは生産性を低下させる」といった調査結果などが報道され、賛否両論の議論を呼んでいるのをご存じの方も多いでしょう。

リモートの魅力は捨てがたいものの、コミュニケーション不全や組織の一体感喪失などのデメリットがあることは否定できません。ここで、リアルとリモートを補完する技術として注目されるのが、やはりXRです。

仮想空間に社員のアバターを表示し協働するバーチャルオフィスの導入企業は制限解除後も増加しています。アバターにその社員が現在行っている業務、話しかけて良い状態か否か、リアルな所在場所などの情報を表示し、チャットやビデオ通話など多様な方法でコミュニケーションを図れるバーチャルオフィスは、リモートが苦手とする簡易で雑談的な意思疎通を可能とし、職場の一体感を醸成します。その他、仮想空間で行う三次元のバーチャル会議システムも、リアルオフィスに近い環境を地理的制約なく実現するソリューションとして注目されています。

「リモートor出勤」の論争はまだまだ続きそうですが、快適で生産性の高い働き方が世界中で模索される中、XRが二者択一を超える選択肢として重要な位置を占めつつあるのです。

XRは「代替手段」ではない

コロナ禍では、社会の各所で否応なくXRを含むデジタル化を推進されましたが、制限解除後に私たちが気づかされたのは、代替や埋め合わせにとどまらないXRの強みでした。リアルとリモートを融合し新たな価値を生み出すXRの力は、リアルの人流が復活したからこそ発揮されるものともいえます。コロナに大きく影響されたイベントと働き方の双方でXRへの注目が高まっており、今後の動向も目が離せません。

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