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XR(VR/AR/MR)

期待大! 医療・介護XRの現在と未来

医療XRイメージ

XRの活用が大きく期待される分野の一つが医療・介護です。医療等従事者の業務のほか、患者や高齢者、介助者の生活の質向上に資する技術としても高い注目を浴びています。今回は、医療・介護XRの未来像や可能性について考えてみましょう。

医療DXを進展させるXR

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医療におけるXRの用途としてまず挙げられるのは診療での利用です。医療行為自体は物理的な対面が必要なことが多いものの、地理的制約なく三次元の画像を共有できるXRは様々な場面で医療の可能性を広げてくれます。

例えば手術において、実績の多い医師が遠隔からチームに参加し、リアルタイムで三次元映像を見ながらアドバイスすることが考えられます。また診断では、MRIやCTのデータをもとに臓器などの3次元画像を作成、病気の発見に役立たせることができます。コロナ禍で重要性が認識された非対面での診察、へき地医療や災害時の医療などへの活用も期待できるでしょう。

3Dデータによる症例検討、手術室の再現映像を利用した実習など、医師の研鑽、人材育成にも力を発揮します。3DデータとAI技術を組み合わせることにより疾病や将来リスク要因の発見の精度を向上させる研究が発展することも考えられます。XRは「医療DX」の鍵となる技術の一つといえるのです。

五感への刺激で健康維持

XRと親和性の高い医療分野としてはほかに、治療後の身体機能回復を図るリハビリテーションが挙げられます。

XRゴーグルを着用し、ARで画面表示される指示に合わせて指や手足を動かしたり、視覚や聴覚情報への反応を確かめたりといった使い方が考えられます。その際、医師や理学療法士による遠隔指導、達成度を「見える化」してモチベーションを維持するゲーミング的アプローチなど、デジタルならではのメリットも享受できます。視覚や聴覚の他、触覚を刺激するコントローラ、XRインタフェースを搭載した装具など、リハビリに特化したデバイスの開発も予測されます。

また、仮想的空間で様々な活動ができるXRは疾病発生前の予防医療の分野での利用が可能です。例えば認知症の防止のためには、可能な限り多様な身体的、社会的活動を行うことが重要となります。XRなら行動が制限される状況でも、身体活動のみならず人との交流などの社会活動を行うことができます。

現在すでに、介護施設のレクリエーションなどに3D映画、eスポーツ、バーチャル旅行などが取り入れられており、今後も高齢者らがXRと触れる機会が増えていくでしょう。健康寿命の伸長に寄与するXRの用途が、楽しみながら見いだされることに期待したいところです。

体験学習で疾病の相互理解を

リハビリXRイメージ

医療介護の観点からXRを利用するのは、医療・介護従事者や患者本人だけではありません。ここで注目しておきたい用途として、疾病の仮想体験があります。

認知症や視覚・聴覚の障がいなどを持つ方が感じる世界はどのようなものなのか、没入感をもって体験することは大きな学びです。全国の自治体や学校、介護施設などでは、XRゴーグルを用いた体験学習会、研修が多数催されており、患者の家族らのほか、学生、介護事業に限らず高齢者を顧客とする企業・店舗のスタッフなど、幅広い立場の方々が参加しています。XRは、疾病に関する相互理解、共生社会の推進にも一役買っているのです。

先進事例を日本から発信

今回はXRの医療・介護分野での活用について概観していきましたが、挙げた事例はごく一部です。医療・介護XRの用途は、今後拡大していくことは間違いありません。ここで大切なのは、医療従事者、介護・介護者、そして患者本人の生きたニーズがいかにフィードバックされ、技術に落とし込まれるかがポイントになります。
急速な高齢化が進む日本が、現場での先進的な事例を積み重ね、イノベーティブな技術を世界に発信できる分野ともいえるでしょう。

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