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XR(VR/AR/MR)

新学期スタート!知っておきたい教育系VR最前線

学校でVR活用しているイメージ

VRの活用が期待される最も有望な分野の一つが教育です。様々な機関でVRを用いた教育システムが導入され、「学び」の姿が変わりつつあります。そこで今回は、教育分野でのVRの活用事例やメリットを解説しながら、XR・メタバースが教育に与える影響を考えてみます。

三次元で学べるVR教材

3D教材で学習しているイメージ

教育分野でのVRのメリットとして挙げられるのが、3D教科書など、空間や物体を目の前に再現する教材で、学習者の理解度が増すことです。

例えば理科では動植物や天体、社会科では地理や地形の表示や歴史的出来事の再現、数学では図形の表示など、三次元で表示することで興味と理解が深まると考えられるものが数多くあります。

実際の事例として、インターネット通信制高校として知られる角川ドワンゴ学園のN高等学校では、生徒一人一人にVRゴーグルを配布。バーチャル空間に没入し三次元で学習できる教材を、従来の講義動画と併用して提供しています。

技術教育はXR活用に期待大

3D教材で技術学習しているイメージ

特に、三次元での学習が大きな効果を発揮するのが各種の技術教育。目の前にモノ・人などを表示し、実際の業務で行う動きなどのシミュレーションを可能にします。製造業をはじめ、建築、医療、自動車や航空機操縦、看護、介護などの専門人材を育成する大学、専門学校などですでにVRが幅広く導入されています。

国や自治体など行政もVRに期待の目を向けています。例えば東京都は現在、「TOKYOデジタルリーディングハイスクール事業」の一環として「先端技術推進校・VR等を活用する学校」のモデル校を選定。都立の工業高校などで、VRゴーグルを活用した指導方法や学習方法について実証研究を行っています。具体的な活用方法としては「アバターを介したコミュニケーション活動や自動車工業、建築等の学習におけるシミュレーション活動」などを想定しています。

メタバースが変革する学び方・教え方

メタバースでディスカッションしているイメージ

ディベートやディスカッション、教師への質問やフィードバックなど、同じ場に人が集まりコミュニケーションを取る学習形態において、空間の制約なく人が集まり、アバターなどを通して交流できるVR・メタバースは新たな役割を担えます。

2022年に東京大学工学部が設置した仮想的な学部「メタバース工学部」では、DX技術などをテーマに、社会人や中高生など多様な参加者を対象とした特別講座を実施。質問したり、議論に参加したりといった、双方向的なコミュニケーションの中で学ぶ場を提供しています。

また、コミュニケーションが重要となる学問として語学があります。大阪府堺市の羽衣国際大学では、メタバース内での国際交流に力を入れており、Metaの会議アプリ「Horizon Workrooms」を使って、生徒とフィリピン人の英語講師がアバターで会話するなどの授業を導入しています。

メタバースは、従来学習に参加しにくかった人に学ぶ場を提供することで、政府が推進する社会人の学びなおし「リスキリング」に可能性を広げる役割も期待できます。また、生徒の利便性のみならず教師や講師など、教える人材の多様性や働き方の変革にも繋がります。

新時代の「学び」のスタイルに

教育分野でのVR活用は大きな進展の途上にあります。あらゆる分野の学習にVRデバイスやコンテンツが利用される可能性があり、新学期を迎える4月、皆様の周囲でもVRとの新たな出会いがあるかもしれません。VRデバイスやコンテンツの活用方法を身に着けることが、新時代の「学び」において重要なスキルになっていくのではないでしょうか。

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