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XR(VR/AR/MR)

VR、3D、AR、MRの特徴と違い

VRをはじめ、3D、AR、MRといった技術が急速に進化しています。これらの技術はそれぞれ異なる特性を持ち、様々な用途で活用されています。

そこで、各々が持つ特徴と具体的な利用例ついてご紹介します。

VRの特徴

VR(Virtual Reality、仮想現実)は、人工的に作り出された仮想空間を、まるで現実のように体験することのできる技術を指します。現実に近い立体的な映像をユーザーに提供し、一般的には専用のVRヘッドセットを装着することで仮想空間に入り込み、まるでその場にいるかのような体験が可能になります。

VRの最大の特徴は、ユーザーが物理的に現実世界にいながら、全視界を仮想の映像で覆い、その世界に入り込んでいるかのような体験を提供する点です。VRヘッドセットを利用する場合は、視覚を完全に仮想空間で埋め尽くすため、ユーザーは現実の環境を忘れ、さらにその仮想空間に完全に没入することができます。また、音声は立体的に再現され、特定の場所から音が聞こえるように調整されており、より現実に近い環境を演出することができます。

VRは、既に幅広い分野で利用されています。例えば、教育の分野では、仮想的なフィールドトリップや歴史的な出来事の再現が行われ、学生は現実では不可能な場所や時間に「訪れる」ことができます。また、製造業では、プロトタイプデザインや製品の検証などに使われています。

3Dの特徴

3Dとは「three dimensions」の略で、「3次元」や「立体」を表します。3D技術は、映像や画像に立体感を加えることで、平面では表現しきれない奥行きや距離感を再現します。

3Dの基本的な要素は立体視です。3D映像は、専用のメガネやディスプレイ技術を使って、2D映像に奥行き感を追加します。これにより、映画やゲームの映像が画面から飛び出して見えるような効果を生み出します。立体視は、目の視差(両目の間隔による視覚の違い)を利用しており、人間が自然に物体の距離を感じる原理を応用しています。

ARの特徴

AR(「Augmented Reality、拡張現実」)は、現実世界に仮想の情報やオブジェクトを重ね合わせる技術を表します。

ARの主な特徴は、現実の環境にデジタル情報を追加することができる点です。これにより、ユーザーはデバイスを通すことで、様々な情報をリアルタイムで得ることができます。例えば、スマートフォンやタブレットのカメラを通じて周囲の風景を撮影することで、風景の具体的な位置や場所の詳細、直近の施設情報など、単に実際の風景を見ただけでは知りえない追加情報を得ることができます。こうした技術により、ユーザーはデバイス越しに拡張された現実世界を体験することができます。

ARも、幅広い分野で応用されています。例えば、ARゲームでは、現実の風景の中に仮想のキャラクターやアイテムを出現させることで、仮想上の世界がすぐ隣にあるかのような感覚をユーザーに与えます。教育分野では、ARを用いた学習ツールにより、学生はグラフや図等をより立体的に見ることが可能となり、実験器具や場所などを揃えることなく、科学的現象を目の前で体験することができます。さらに、小売業では、AR技術を活用して、消費者がバーチャルに試着したり、製品のデモを体験したりすることができるようになっています。

MRの特徴

MR(「Mixed Reality、複合現実」)は、現実世界と仮想空間を重ね合わせる技術を表します。現実の物理空間に仮想オブジェクトを統合し、ユーザーが同時に現実と仮想のオブジェクトを操作・視認できるようにします。

MR用のデバイスを使って仮想空間を現実世界に映し出すことが可能で、代表的なデバイスに「Microsoft HoloLens2」や「Apple Vision Pro」があります。

ARはあくまでも現実世界の一部に仮想の情報を追加する技術ですが、MRは現実世界の情報を活かしながら、空間そのものを仮想空間化する技術になります。加えて、仮想空間一辺倒のVRとは異なり、MRの真髄は仮想空間と現実世界の協調にあります。例えば、自分の部屋にMRを用いて仮想のジャングル空間を映し出す場合、実際にある机が岩などの障害物として映し出されたり、壁に沿って生い茂った木々が映し出されたりと、現実の情報をベースにした仮想空間を作り出すことができます。また自身の手を認識することも可能なので、コントローラーではなく、手で直接仮想空間を操作できるのも大きな特徴です。VRやARの進化版ともいえるMR技術は、その柔軟性から幅広い分野での活用が期待されています。

今後の展望:VR、3D、AR、MRの技術がもたらす未来

これらの技術はそれぞれ独自の特性を持ちながらも、相互に補完し合い、未来の生活や仕事のあり方を大きく変える可能性を秘めています。技術が発展していくにつれて、現状扱われている分野での利用拡大、全く新しい分野での活用などにより、より一層私たちの生活の身近になっていくことが予想されます。移り変わっていく時代に適応するためにも、これからの技術進化に注目し、それぞれの技術がどのように私たちの未来を形成するのかを学び、積極的に活用していくことが重要です。

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