運動会、ハロウィンなど秋のイベントにもXRの波

秋は、全国各地で様々なイベントが行われる季節。近年は恒例の季節の催しにもVRやAR技術が取り入れられ、新たな魅力が加えられています。そこで今回は、秋の代表的なイベントである「運動会・体育祭」と「ハロウィン」を取り上げ、XRの活用事例を紹介します。
自宅で参加「VR運動会」

秋の行事の代表格である運動会。コロナ禍でのイベントのオンライン化、またeスポーツへの関心の高まりもあり、学校や企業でバーチャル空間で行う運動会・競技会に注目が集まっています。
学校の運動会を完全にバーチャル空間で行ったのが学校法人角川ドワンゴ学園が運営する私立通信制高等学校、N高等学校とS高等学校です。同校は昨年2021年に初となる「N/S高第1回VRネット運動会」を開催しました。
N高等学校・S高等学校 - 初開催のVRネット運動会が閉幕 生徒たちが得たものとは?
9月から2か月にわたって開催された同イベント。生徒は赤組と白組に分かれ、自宅でヘッドセットを付けて参加します。リズムゲームの「Beat Saber」、ボーリングゲームの「Rec Room」、eスポーツゲーム「Echo VR」などで勝敗を競いました。全国にいる通信制生徒が空間的制約なく参加できるというメリットも大いに発揮された試みとなりました。
メタバースで「トリック・オア・トリート!

10月31日、お化けの仮装が街にあふれるハロウィン。日本のハロウィンで毎年最も話題になるのが、東京・渋谷駅前に若者が集まる光景でしょう。
この渋谷のハロウィンを仮想空間で再現するのが、渋谷区が公認、KDDIなどの企業が協働。メタバースプラットフォームアプリCluster(cluster)で運営する「バーチャル渋谷」です。
10月中旬から31日にかけて行われる「バーチャルハロウィーンフェス」では、渋谷駅前のスクランブル交差点などを模したスペースに仮装したアバターが集まって交流したり、音楽ライブやトークショーなどが開催されます。2021年は、世界中からのべ55万人が参加(主催者発表)し、盛り上がりを増しています。
相性抜群のAR&ハロウィン

毎日を過ごす街にお化けが溢れるハロウィンは、いわば日常の中の非日常。現実世界に仮想世界を重ねて表示する拡張現実(AR)と相性が良いイベントといえます。
Googleでは、動物など一定のワードで検索を行った際、その対象が目の前にいるかのように3D表示できるAR機能が実装されていますが、2020年に「ハロウィン」「ジャック・オー・ランタン」(かぼちゃの灯篭のこと) などのワードで、キャラクターを3D表示できる機能を搭載しています。
また最近、ハロウィンのAR企画として広がりを見せているのが、特定の商品をアプリで読み取り、お化けなどのキャラクターと一緒に写真が撮ったり、音声を聴いたりするキャンペーン。ハロウィンで子供に配るお菓子製品での企画が多く、過去の事例では、グリコの「プッチンプリン」、ギンビスの「たべっ子どうぶつ」などおなじみの商品で同様のハロウィンキャンペーンを実施しています。
XRはエンタメ、イベントと親和性の高い技術。今年も楽しい秋のXRイベントが数々登場しそうです。どのような新しい発想で私たちを楽しませてくれるのか、注目しましょう。