3DCGとは?制作ツールは?

ゲームや映画でお馴染みのCGですが、実際に扱うとなるとまだまだ馴染みがないですよね。
今回はVR/ARコンテンツにも欠かせない3DCGの制作方法や代表的なソフトについてご紹介します。
3DCGとは?

3Dは「three dimensions」、CGは「Computer Graphics」の略なので3DCGは3次元のコンピューターグラフィックと訳せます。 つまり、奥行きのあるCGということですね。
x軸(横)、y軸(縦)のみの「面」しか持たない2次元のCGに対して、3DCGはx軸(横)、y軸(縦)、z軸(奥行き)の3軸を持つ「空間」で立体的に表現することができます。
3DCGが立体に見える原理は?
3DCGは3次元の空間に配置した立体をコンピューターの演算によって、平面上の情報に変換し立体感のある画像を描画します。
立体の見え方は投影法によって異なり、「透視投影」(perspective projection) と「平行投影」 (parallel projection) ※1の2種類の投影法が用いられます。
「透視投影」は私たちが普段から認識している空間の見え方に近く違和感はありませんが、パースがかかっている状態なので正確な寸法や形状確認には適さない場合があります。
その場合は、視点と物体の間の距離とは無関係にそのまま平行に投影する「平行投影」を用います。

※1:正射影 (orthographic projection / orthogonal projection)とも呼ばれます
3DCGの制作フロー
3DCG制作のフローは大まかに次のステップから成り立ちます。
① モデリング
3次元の空間内にポリゴン(面)を用いて立体を造形します。
この立体のことを「モデル」や「オブジェクト」と呼びます。

② シーン設定
視点および光源を設置し、モデリングしたオブジェクトの見え方を調整します。
視点は仮想的なカメラを配置することで設定します。
光源を設置、調整する作業を「ライティング」と呼び、これは、CGの見え方を大きく左右する重要な工程の一つになります。

③ レンダリング
3次元空間のオブジェクトを2次元画像に変換します。
コンピューターが形状や位置情報に加え、空気による遠近法や光源の反射・屈折率なども計算し画像を生成します。
この工程は、一般的には多くの時間を要することになり、高性能なコンピューターが求められることもあります。
アニメーションなどの動きがある場合は、この工程を1フレームずつ行い、それらをつなぎ合わせることで一つの映像として完成させます。
3DCG制作でよく使われているソフト5選
従来のイラスト制作と違い作業工程が多い3DCG制作ですが、基本的にはすべての工程を一つの3DCG制作ソフトで実行できます。
ここではよく使われている3DCG制作ソフトをご紹介します。
① Maya
オートデスク社が提供する3Dコンピューターアニメーションソフトで、映画、CM、ゲームなどあらゆる3DCG制作の現場で最も使用されています。
3Dアニメーション、モデリング、シミュレーション、レンダリングなどMayaのみで一通りのことが実現できる多機能なハイエンドソフトです。
② 3ds Max
オートデスク社が提供する3Dモデリングおよびレンダリングソフトで、Mayaと同様に、業界で最も使用される3DCG制作ソフトの一つです。
設計ビジュアライゼーション、ゲーム、アニメーションに最適なハイエンドソフトで、高度な表現を手軽に利用するための拡張機能(プラグイン)が豊富に用意されているのも特徴です。
対応OSはWindowsのみとなります。
③ ZBrush
Pixologic社が提供する3DCG制作ソフトです。
一般的にモデリングは面を張ることで造形をしますが、ZBrushではスカルプティング(彫刻)することで造形をしていきます。
粘土をこねるような直感的な操作が可能なため、複雑な生き物や実写に近いキャラクター制作などに向いていると言われています。
映画制作やゲーム業界はもちろん、歴史的な工芸品の復元、彫刻デザイン、プロダクトデザインなどアーティスティックな分野で利用されています。
④ Blender
オープンソースのフリー3DCG制作ソフトです。
無料で利用できるにもかかわらず、本格的かつ商用ソフトにも負けない機能を持ち、世界中の多くのユーザーに利用されています。
また、一般的な3DCG制作ソフトよりも動作が軽量なこともあり、まずは始めてみたいというビギナーユーザーにも最適です。
⑤ Houdini
Side Effects
Software社が提供する3DCG制作ソフトで、高度な各種物理現象のシミュレーション機能があるため映画やCMのVFX(特殊視覚効果)制作で多用されています。
モデリング機能は他のソフトと比べると若干劣りますが、煙や炎、雨などのエフェクト表現が得意で、CGの醍醐味でもあるSF空間や幻想的な空間を演出することができます。
また、Houdini Apprenticeと呼ばれるバージョンは、非商用であれば無料で利用できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。制作過程を知ることで3DCGが少し身近に感じられたのではないでしょうか。
イラスト制作とはまた違う手法・工程なので、まずは無料ソフトで試してみるとより理解が深まるかもしれません。
3DCGにはイラストや写真では持ち得ない様々な利点があり、今後はさらに普及していくと考えられています。ぜひ身近なところから3DCGを取り入れてみてはいかがでしょうか。
一方で、3DCG制作には高度なスキルとハイスペックなマシンが求められる場合があります。
そしてなにより膨大な時間がかかるのも導入の大きな壁になるかもしれません。
しかし、昨今は3DCGの販売サイトなども増えてきており、扱われるCGの種類も日に日に増えてきています。
導入目的によっては自作するよりも既製品を購入する方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。
使用用途はもちろん、コストと時間、求めるクオリティなど様々な要素から3DCG導入の最適解をご検討ください。
弊社でも3DCG制作を承っております。
CADデータなどお手持ちの3Dデータを活用した制作はもちろん、写真などの平面資料からでも3DCG制作が可能です。
お客様のニーズに合った3DCGをリーズナブルな価格で制作いたしますのでお気軽にお問い合わせください。